国盗り物語

最終巻がいくらまっても100円にならなそうなので思い切って400円のを購入。
信長と光秀を道三の意志を継ぐものとして、対称的に表現されててよく出来てるなぁと。
あと今更だが、信長はすごい。歴史の本なんかを見ても基本的には高い評価を与えられている
人物だけれども、司馬遼太郎が描く信長像はそれに輪をかけて魅力的だ。
決断力、革新性、合理主義を見事に一個のキャラクターとして表現していて
その姿を光秀の視点から読者に伝えている。光秀の評価も今では様々だが
道三の後継者という視点を上手く使って、本能寺までの心の葛藤がよく伝わった。

あとがきによると、当初は斉藤道三編のみだったらしいので
非常に少年ジャンプ的な連載延長だったようだけど、それを感じさせない完成度だ。
その後の作品であまり信長や光秀に触れないのは書いた本人も納得の出来だったということか。