BRAIN VALLEY(瀬名秀明)

八月の博物館に続き2作目。行間が極端に狭いのはそういう演出なんだろうか。薀蓄部分は非常に読ませる。面白い。キャラクターが弱いのが勿体無い感じ。登場人物の心理を素直に書きすぎる。書かなくても伝わることもあるのに、全部書いてしまってくどい。行間が狭いので余韻を味わう暇もない。終盤に近づけば近づく程フィクション度が増すので解決編で爽快な気分を味わうのも難しい。色々な人物の視点で話が進む割に区別が無いというか、研究者は確かに研究内容によってキャラクターが決まるわけなのだけど、それだけではあまりにもありきたりで読んでいて刺激が少ない。漫画で言うと皆同じ顔。服装で見分けてくださいみたいな。私自身が、非ミステリを読み慣れていないせいかもしれないけども。