考えを文章で伝える練習帳

考えを文章で伝える練習帳。文章を書く習慣を付けたいです。

沈まぬ太陽(山崎豊子)

御巣鷹山編について。とにかく表現が生々しい。テープレコーダーや遺族の声等は
実話をそのまま使っているためか、飛行機事故に対する、深い(という言葉では足りない)
悲しみと怒りが感じられた。事故責任の追求によって、加害者側の組織の人間も精神的に
追い込まれ、悲劇が更なる悲劇を呼び、どうしようもなさが非常に辛い。


悲しみや怒りというのは当事者で無ければ分からないもので
会社がいくら謝罪し、賠償しても、時が経つとまた同じような過ちを繰り返す。
特に組織においては個人がいくら気を配っていても、全体としては緩やかに腐敗していくのは
さけられない事実(エントロピー増大の法則)であり、規律というのは定期的に
プレッシャーをかけていかなければ維持されないものだ。


全体的に物事を一方的な解釈で表現している作品だが、飛行機事故を強く印象付けるには
このくらいが良いのかもしれない。御巣鷹山編は是非映像化してほしいと思う。