考えを文章で伝える練習帳

考えを文章で伝える練習帳。文章を書く習慣を付けたいです。

麦酒の家の冒険(西澤保彦)

テンポがどうにも悪い。導入も良いしキャラも立ってるのだけど読みにくい。理由ははっきりしていて会話が丁寧すぎるのと、言葉のニュアンスが私の持つものと異なる箇所がいくつかあったこと。基本的に挿絵の無い本では、読書とは、文章を元に視覚的に認知できる自分の世界を次々と創造(想像)していく行為だと思う。その過程でニュアンスの異なる言葉があると、せっかく作ったイメージを修正しなければならず、流れが殺されてしまう。


「異様に○○だ」は子供っぽい表現と感じる。学生らしいといえばそうだけど。
「遺棄」は「捨てた後に"放置"」という認識。放置に重点が置かれる。
「刮目して待つ」のはごく短い間。明日まで「刮目して待つ」のは拷問と同じ。


この作品では、少なくとも「異様」「遺棄」「刮目」の使い方が私の認識とは合わない。日本語としておかしいとまではいかないけども、引っかかる感じ。実際私もかっこつけて難しい言葉を誤用することが多々あるので、なんとも責めにくい。文章が主人公の一人称視点で身分は大学生なので、敢えて変な言葉使いをさせている可能性もある。その伏線を後に回収することで物語とする手法も多い。