考えを文章で伝える練習帳

考えを文章で伝える練習帳。文章を書く習慣を付けたいです。

家族狩り(天童荒太)

全5巻。私の評価は


永遠の仔>孤独の歌声>家族狩り


主人公の刑事に全く共感できなかった。年齢も大分離れているし
いわゆる亭主関白なキャラはどうしても呼んでいてイライラする。
約束を平気で破ったり、無視という逃げ手段を多用したりするのはよくない。
コミュニケーションとりなさいと。ホウレンソウが足り無すぎる。
そんな主人公だったのでいまいち、盛り上がらなかった。


あと全体的に書き手の主張が大目に散りばめられていて純粋に物語として読みにくかった。
世界には貧しい国が多くて、日本は豊かだけども、じゃあ比較して幸せかといわれたら
そうとも限らない。結局幸せかどうかなんて、個人の想像力と欲で決まるわけで曖昧だし
気持ちひとつで簡単に覆る。同じ状況におかれても感じ方も違うし
一概に"今の日本では家庭が崩壊して、経済的な豊かさとは裏腹に、精神的に不幸だ"とはいえない。


私の知り合いで、「生まれ変わるなら帝政ロシア時代の農奴になりたい」と主張する人がいて
言わんとすることは、狭い限定された世界で一生を終えることができるのは素晴らしい、みたいなことだったと思う。
井戸の中がすべてならば、想像力も欲も外には広がらない。大海を知らずとも井蛙は幸せなのだ。
大海を知っている側からするとなんとも滑稽だが、大海には大海の苦労があったりして比較してどっちが幸せと決めるのは難しい。


家庭の話も同じで、家庭毎に幸せの基準なんて違うに決まってるのだから一般解を求めようとすることに意味は無いんじゃないかと。