第二次世界大戦の起源(A.J.Pテイラー)
駐車券の限度額を達成しようと思って。ベルサイユ条約からロカルノ条約、ミュンヘン会議を経てポーランド侵攻までの解説、解釈本。ポーランドのイメージ随分変わる。なんか昔ジョークでポーランド人を小ばかにするネタを読んだことがあるけど、ヨーロッパ内格差みたいのがあるんだろうか。訳者の解説で著者の解釈は完全に否定されてて面白い。Civ5にヒトラーでなくてビスマルクが採用されているあたりまだまだタブー視されてる存在なんだと感じる。いつになっても冷静な評価というのは難しいのだろうけど。個人的には第一次世界大戦の知識があやふやなので、そこら辺もっと補完してから再読したい。フィクションや理系学問解説本に比べてそんなにコストがかかる気はしないのに文系学問解説本は文庫になっても高いのが困る。今回はたまたま高い本を探していたので手にとったけどもう少しなんとかして欲しい。
聖の青春/将棋の子(大崎善生)
知人の家で見つけて飛びついた。村山聖は色んなところでモデルにされてるので前提知識はそれなりにあったけど、それでも何度もぐっときて泣きそうになった。映画とか本とかで泣きたいけど涙が出なくて毎回不完全燃焼。そもそも将棋指しに個性的な人間が多いのは極限状況で普通の感性を持つ人間が淘汰されたり適応したりした結果の現れだと思う。まだまだ村山世代は強い。物語の中では上の世代にとって恐怖だということが強調されていたけど、今の中堅若手がなかなかタイトルに手が届かない現状を見ると下の世代だって相当苦しいはず。どっちも内容的にはとても悲しい話なのにむしろ勇気がもらえるというか読後は妙に元気になれるそんな2冊。